ゲームの映像を滑らかにしつつ、遅延はどれくらい増えるのか?そんな疑問に答えるのが、今回の$7で手に入るLossless Scaling Frame Generation(LSFG)の遅延ベンチマーク動画です。特にデュアルGPU構成で古いGPUを活用し、フレーム生成の負荷を分散させる試みを中心に、実際のゲームプレイにどんな影響があるのかを丁寧に検証しています。映像の美しさだけでなく、操作感に直結する遅延にも注目した貴重なテスト結果は、多くのゲーマーにとって興味深い内容と言えるでしょう。
この動画で学べること
- $7のLossless Scaling Frame Generationがもたらすフレーム生成時のシステム全体遅延の変化
- デュアルGPU構成を用いた負荷分散の効果と遅延への影響
- 複数人気ゲーム(Cyberpunk 2077、Rainbow Six Siege、Marvel’s Rivals、Space Marine 2)での実測データ
- フレームレート制限の有無による遅延の違いと実用的な推奨設定
Lossless Scaling Frame Generationとは?
Lossless ScalingはSteamで購入できる$7のソフトウェアで、ゲームやデスクトップの映像を高画質にアップスケーリングしつつ、フレーム生成機能も備えています。フレーム生成は、実際には存在しない「偽フレーム」を生成してより滑らかな映像を実現しますが、遅延が増えるリスクもあります。今回の検証は、その遅延に焦点を当て、実際にどれくらい操作感に影響が出るのかを、物理的な遅延測定器を使って詳細に調べています。
物理遅延測定で分かるリアルな体感差
これまで遅延測定にはNVIDIAのLDATなどがよく使われてきましたが、本動画ではオープンソースのTechTeamGB製遅延測定器を導入。Arduinoベースの自作デバイスで、ディスプレイの光の変化を精密に検知し、入力から画面表示までの時間を正確に計測します。これにより、GPUベンダーのツールに依存しない公平な計測が可能になりました。
複数ゲームでの遅延ベンチマーク結果
Cyberpunk 2077
- 通常時の遅延は約25.3ms。
- LSFG 2倍フレーム生成で遅延は約44.8ms、約77%増加。
- 4倍以上になると遅延は60msを超え、体感できるレベルに。
- 60FPS制限をかけると遅延増加は抑えられ、実用的な範囲に収まる。
Rainbow Six Siege
- 非常に低遅延なゲームで、通常9.9ms。
- 2倍フレーム生成で21.4msに増加、競技性の高いゲームでは注意が必要。
- 20倍設定は遅延が93msを超え、実用外。
Marvel Rivals & Space Marine 2
- Marvel Rivalsでは2倍で約30ms、4倍で50msと遅延が増加。
- Space Marine 2では2倍で約40ms、4倍で45ms程度。
- 60FPS制限をかけることにより遅延は抑制可能。
デュアルGPU構成の効果と限界
LSFGはデュアルGPU対応で、古いGPUを補助的に使い、メインGPUの負荷を軽減可能。実験ではRTX 3060やRTX 2060、GTX 1060をサブに使用しました。結果として、3060を使うと遅延増加が抑えられ、4倍設定でも単一GPUより低遅延を実現。一方、1060は性能不足で逆に遅延が悪化しました。つまり、サブGPUの性能次第で効果が大きく変わる点に注意が必要です。
遅延増加をどう捉えるか?
フレーム生成は映像の滑らかさを向上させますが、遅延も確実に増加します。特に競技性の高いFPSゲームでは数ミリ秒の差が勝敗に影響するため、遅延増加は重要なデメリットです。一方で、シングルプレイや映像の滑らかさを重視する場合は、2倍程度までのフレーム生成は許容範囲とも言えます。動画では「30FPSを60FPSにするのとは違い、遅延の増加は避けられない」との指摘もあり、過剰なフレーム生成設定は避けるのが賢明です。
まとめとおすすめポイント
- LSFGは$7の手軽なツールながら、多様なゲームでフレーム生成効果を試せる
- デュアルGPU構成で古いGPUを上手く活用すれば遅延抑制に役立つ
- 2倍〜3倍設定が遅延と滑らかさのバランスで実用的
- 競技性の高いゲームでは遅延増加に注意が必要
- フレーム生成は万能ではなく、遅延増加に伴う操作感の変化を理解した上で使うべき
今回の検証は、映像美と操作感のバランスを知る上で非常に参考になる内容です。フレーム生成技術の進化は目覚ましいですが、遅延という見えにくいデメリットを正しく把握することが快適なゲーム体験につながります。興味がある方はぜひ動画もチェックして、詳細な計測データや考察を直接ご覧ください。