パソコンの起動時間が長く感じたことはありませんか?特に高性能なAMD CPUを使っている場合、メモリの設定が起動速度と安定性に大きく影響します。今回ご紹介する「メモリコンテキストリストア(Memory Context Restore:MCR)」は、起動を速くしつつもメモリの安定性を保つためのBIOS機能です。しかし、MCRを使うべきかどうかは使用環境や目的によって異なります。本記事では、MCRの基本から実際の効果、オン・オフの切り替え方まで丁寧に解説します。
この動画で学べること
- メモリコンテキストリストア(MCR)とは何か
- MCRが起動時間に与える影響とその仕組み
- MCRのオン・オフでどう安定性や起動速度が変わるかを実証
- どんなユーザーにMCRの利用をおすすめするか
メモリコンテキストリストア(MCR)とは?
メモリコンテキストリストア(MCR)は、PCのBIOSに搭載されている機能で、前回の起動時に安定して動作したメモリの設定を保存し、次回起動時にその設定を呼び出して高速起動を実現します。AMDのCPUを中心に採用されており、DDR4やDDR5メモリの高クロック化に伴う起動時のメモリテスト(トレーニング)時間を短縮する役割があります。
通常、メモリは起動時にCPU内蔵のメモリコントローラー(IMC)が動作周波数やタイミングを検証し、その環境が安定しているかチェックします。この検証プロセスが「メモリトレーニング」と呼ばれ、初回起動や設定変更時には特に時間がかかります。MCRはこのトレーニング結果を保存しておき、次回以降はその設定を呼び出して起動を高速化します。
MCRのメリットとデメリット
メリット
- 起動時間の短縮:保存された安定設定を利用するため、メモリのトレーニング時間が大幅に短縮されます。動画の実験では、MCRオン時は約12秒で起動したのに対し、オフ時は約1分24秒かかりました。
- 日常使用に最適:ゲームや一般的な作業を行うPCでは、起動の快適さが向上します。
デメリット
- 長期使用による不安定化のリスク:PCのパーツは使用や経年でわずかに性能が変化し、保存されたメモリ設定が最適でなくなることがあります。
- 不安定時は再トレーニングが必要:MCRオンのままだと古い設定を使い続けるため、ブルースクリーンやフリーズの原因になることがあります。
MCRをオンにするべきか?使い分けのポイント
動画の解説によると、以下のように使い分けるのがベストです。
- 高速起動を重視する一般ユーザー:MCRをオンにして起動時間を短縮。安定性も通常は問題なし。
- 最高レベルの安定性が必須なプロ用途やオーバークロックユーザー:MCRをオフにして、毎回メモリトレーニングを実施し、安定性を確保。起動時間は長くなるが信頼性が高まる。
- 不安定になった場合の対処法:MCRを一旦オフにしてPCを起動し、メモリを再トレーニング。その後オンに戻すことで、最新の安定設定を保存できる。
MCRが影響する起動プロセスの仕組み
PCの起動時に表示されるQコード「15」はメモリトレーニングの状態を示します。MCRオフの場合、このコードが長時間表示され、メモリの検証が完了するまで待つ必要があります。MCRオンなら短時間でこのプロセスをスキップし、保存された設定を即座に読み込むため起動が速くなります。
また、電源を完全に切り、コンセントを抜いた状態からの起動では、MCRオンでも再トレーニングが発生することがあります。これは電源断で保存されていた設定がリセットされるため、安定性を確保するための仕様です。
BIOSでのMCR設定方法と注意点
MCRはマザーボードのBIOS設定から変更可能ですが、名称はメーカーや機種によって異なります。例として:
- ASUS:Memory Context Restore
- MSI:Memory Fast Boot
- Gigabyte:DDR5 Auto Booster
- ASRock:Fast BootやDRAM Training Configurator
動画ではASUSの最新BIOS画面を例に、MCRを「Auto」から「Disabled」に切り替える手順が紹介されています。設定変更後は再起動に時間がかかるため、ゆっくり待つことが必要です。
まとめ
メモリコンテキストリストア(MCR)は、メモリのトレーニング時間を短縮し起動を高速化する便利な機能ですが、安定性を重視する場合はオフにして毎回トレーニングするのが最善です。日常的にはMCRオンで快適に使い、不安定になったらオフにして再トレーニングすることでバランスを取るのがおすすめです。
PCの起動速度や安定性に悩んでいる方は、ぜひ動画をチェックしてMCRの特徴を理解し、自分の環境に合った設定を見つけてみてください!