パソコンの水冷システムでよく使われるラジエーターの冷却効率は、ファンの設置方法によって大きく影響を受けることをご存知でしょうか?特に、ファンの中心部分(ファンハブ)がラジエーターの空気流れに与える影響は意外と見落とされがちです。今回の検証では、ファンをラジエーターから少し離すためにスペーサーを設置し、その冷却効果を実際に測定。果たして温度は改善されるのか?その謎に迫ります。
この動画で学べること
- ファンハブが作り出すラジエーターのデッドゾーンの実態
- ファンとラジエーターの間にスペーサーを入れることで空気の流れがどう変わるか
- スペーサー設置による冷却性能の実測結果とその解釈
- 冷却性能向上を狙った試みの限界と今後の展望
ファンハブが生む冷却の死角とは?
水冷ラジエーターのファンは空気を押し出して効率的に熱を放散させますが、ファンの中心部分(ファンハブ)は羽根がなく空気の流れを遮断しています。動画では、このファンハブ部分がラジエーターに接触しているために「デッドゾーン」と呼ばれる空気がほとんど流れない領域を作っていることを指摘しています。実際にファンを剥がした後のラジエーターの埃の付着パターンからも、ファンハブ部分が空気の流れを妨げていることが見て取れます。
このデッドゾーンは、ラジエーター全体の冷却効率を下げる可能性があるため、何とか改善できないかというのが今回の検証の出発点です。
スペーサーでファンを離すと空気の流れはどう変わる?
理論的には、ファンをラジエーターから少し離すことで、ファンハブ周辺の空気が滞留するエリアに空気の流れを作り出し、ラジエーター全体に均一に空気が当たるようになるはずです。動画では3Dプリンターを使って10mmのスペーサーを自作し、ファンとラジエーターの間に設置しました。
煙を使った空気の流れの可視化テストでは、スペーサーなしの場合、ファンハブ部で渦が発生しているのが確認されました。スペーサーを入れることでこの渦が幾分か緩和され、空気がよりスムーズに流れている様子が見て取れます。
スペーサー設置の冷却性能への影響を温度で検証
肝心の冷却性能については、CPUパッケージ温度およびコア温度をファンの回転数別に比較しました。結果は驚くべきことに、スペーサーの有無による温度差は非常にわずかで、最大でも約1.2℃の差に留まりました。特に100%回転時にはほぼ差がなく、76%回転時に若干の改善が見られる程度です。
この結果は、理論的にはファンハブ部分がラジエーター面積の約15%を塞いでいるため、スペーサーによって同等の冷却向上が期待できるはずという考えと異なり、実際にはラジエーターの構造上、熱が他の部分へ伝わっているため、空気流の改善だけでは大きな効果が得られないことを示しています。
なぜスペーサーは大きな効果をもたらさなかったのか?
ラジエーター内部では多数の冷却フィンと水路が複雑に連結しており、熱は空気が当たる部分だけでなく全体に分散されて伝わります。ファンハブのデッドゾーンでの空気流が改善されても、熱の移動は他の部分でカバーされているため、全体的な冷却性能の差は小さくなるのです。
また、スペーサーを入れてファンを離す分、ラジエーターの厚みを増すのと同じ効果を得ることも考えられますが、厚みを増やす方が根本的に冷却性能は高まります。つまり、スペーサーで間隔を空けるよりも、厚いラジエーターを使用する方が効果的だという点も見逃せません。
今後の展望とまとめ
今回の検証で、ファンとラジエーターの間にスペーサーを入れても大きな冷却性能改善は見られないことが明らかになりました。しかし、動画制作者はさらなる検証として20mmのスペーサーや、より細かく区切ったスペーサーの設置も検討しています。
冷却技術は奥が深く、理論だけでなく実際の設計と複数要因の影響を考慮する必要があります。今回のような細かい検証が、より効果的な冷却システムの発展に繋がるでしょう。
パソコンの冷却性能に興味がある方、最新の水冷システムを検討している方はぜひ動画をチェックし、この話題を深掘りしてみてください。
【まとめ】
- ファンハブはラジエーターにおける空気の死角を作る
- スペーサーでファンを離しても冷却効果はほぼ変わらない
- ラジエーター全体の熱移動を考えると空気流改善だけでは限界がある
- 厚いラジエーターの方が冷却性能向上には効果的
動画での実験結果を踏まえつつ、自分のPC環境に合った冷却方法を選んでいきましょう!